膠原病

シェーグレン症候群の診断と治療

シェーグレン症候群の目や口内が乾く症状には、残念ながら根本的な治療法はありません。目薬や、唾液の分泌を促す薬などで対症療法を続けます。診断に関してはシェーグレン症候群でみられる乾燥症状を証明するために、いろいろな検査があります。
シェーグレン症候群の診断

眼科的検査

涙液分泌能をみるためには、シャーマー(シルマー)試験とよばれる方法があります。この検査では、ろ紙を眼のふちにおき、その濡れ具合を測ります。ろ紙の濡れ方が5分間に5ミリ以下であると涙の量が少ないと判定されます。
そのほか、細隙灯顕微鏡とよばれる装置を用いて角膜表面のキズの有無を調べる検査もあります。これは、用いる色素の違いで、ローズベンガル試験、蛍光色素(フルオレセイン)試験などとよばれています。

唾液分泌能検査

ガムテストといって、ガムを噛ませながら唾液の分泌量を測定する検査があります。また、サクソンテストという新しい方法もあります。ガムテストで唾液分泌に低下がみられる場合には、唾液腺シンチグラフィー口唇小唾液腺生検などが行われます。
口唇小唾液腺生検は唇の内側を切って、そこから小唾液腺を採取するものです。採取した生検組織を顕微鏡でみて、唾液腺における炎症の有無を調べます。

血液検査

シェーグレン症候群の場合、血液検査では血沈の亢進がみられます。これは炎症があるからではなく、血液の中のガンマグロブリンが増加しているためです。
自己抗体では、リウマトイド因子と抗核抗体が高率にみられます。自己抗体のなかでは、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体とよばれる特殊な抗体がこの病気では出現します。とくに抗SS-B抗体はシェーグレン症候群のみにみられる自己抗体です。ただし、全例で陽性になるわけではないので、陽性になればシェーグレン症候群が強く疑われますが、陰性だからといってこの病気を否定することはできません。
シェーグレン症候群の治療

病変が涙腺や唾液腺にしかない場合、すなわち腺型の場合には、乾燥症に対する治療のみを行います。

目の治療・対処

点眼薬(ヒアレインなど)は、涙が足りない分を補ったり角結膜を保護するために、大切です。傷ついているときは、防腐剤の入っていない使い捨てタイプのものを用います。また、涙点プラグという手術治療が可能な場合もあります目の症状(とくに角結膜炎による損傷など)は、眼科を受診することをおすすめします。点眼薬や涙点プラグなどの治療も、眼科医の診断を仰いだほうがいいのです。

涙点プラグとは?

涙点プラグ涙点は、目のふちの上下にひとつずつ開いている、ごく小さな穴。ここは、いわば涙の排出口のようなところです。この涙点を、小さなプラグでふさいでやる治療法です。出口がふさがれ涙がたまるので、ドライアイなどの不快な症状がラクになる効果があります。
涙点プラグは、コラーゲンやシリコンでできています。涙点をふさいでしまうと、汚れた涙の排出(クリアランス)ができなくなりますが、これは上下にある涙点のうち上だけをふさぐことで、クリアランスもうまくいきます。涙点プラグには健康保険が適用されますので、費用は高額になりません。この治療は、眼科の外来で、比較的簡単に受けることができます。

口内の治療・対処

歯みがきやうがいを励行するようにします。また、水分を多く含んだ食物をとるようにして、刺激の強い食物は避ける、といった工夫をするのもいいでしょう。また、人工唾液(サリベート)があります。スプレーでシュツと噴霧するものです。ただし、患者さんによっては味が気になる場合もあるようです。
のみ薬としては、フェルビデンやエボザックが使われます。このほか、漢方薬の麦門冬湯がよい場合もあります。

※涙腺や唾液腺が破壊される前に、それを止める治療法は今のところありません。ほかの膠原病との合併がなく、目や口内の乾燥症状だけの場合は対症療法が中心になります。

※こういった乾燥症状に、ステロイド薬が有効という実証はなく、副作用のことを考慮すると、使わないほうがよいと考えられます。

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