ベーチェット病の症状
ベーチェット病はロの中に繰り返しあらわれる潰瘍で、気づくケースが多いようです。眼病変は男性のほうが多く、症状も重くなる傾向があります。腸管・血管・神経に出る、特殊型の病変には注意が必要です。
![]()
初期症状
主要な4つの症状
ベーチェット病では、以下の四つの主症状があります。
①再発性アフタ性口内炎
②皮疹
③陰部潰瘍
④眼症状
ベーチェット病の初期は、主要な4つの症状(そろって同時にあらわれることは少ない)とともに、関節炎や発熱、倦怠(だるさ)などがあります。口腔の粘膜にできる潰瘍(口腔内アフタ)で発病することが多く、この口腔内の潰瘍は、患者さんのほとんどすべてにみられます。
症状は繰り返し起こりながら慢性化していきますが、一般的には、発病初期から数年間がもっとも強く、その後は、症状が起こる頻度も少なくなり、あらわれても軽くなっていく傾向があります。
![]()
再発性アフタ
アフタは痛みを伴い、再発するのが特徴です。口の内側だけでなく、舌のふちなどにもでき、塩気のある食事をするとしみて痛みます。しかし、1~2週間で治ってしまうのがふつうです。アフタの中心はやや黄色く、まわりは赤くなって盛りあがります。だいたいは浅いものですが、ときには深くえぐれることもあります。
発疹
結節性紅斑とよばれるタイプの発疹がよくみられます。硬くてしこりのある発疹が手足にできます。押すと痛みがあり、ひどいときはじっとしていても痛んで熱が出ることもあります。また、にきびのような発疹が出ることもあります。通常にきびは顔だけですが、この病気の場合には前胸部や背部にも、にきび様の発疹が出現します。
皮膚過敏性
この病気では皮膚が過敏になるために、注射をした針のあとが赤く腫れることがあります。また、ひげそり後ににきび様の発疹が出ることもあります。このため、「かみそり負け」と間違えられることもあります。
外陰部潰瘍
ロの中のアフタと同じように、痛みを伴う潰瘍が外陰部にできます。男性の場合は陰嚢にできますし、女性の場合には陰唇にできます。したがって、女性の場合にはおしっこをするとしみて痛みを訴えることがあります。
眼病変
ベーチェット病では、眼のいろいろな場所に炎症がおこります。放置しておくと視力が低下したり、ひどいときは失明したりしますので、症状が出たらただちに眼科医に受診してください。
眼の前のほうに炎症がおこった場合には虹彩炎、ブドウ膜炎などがおこります。虹彩とは、カメラに例えると絞りの役割をしているので、炎症がおこると「まぶしい」という症状を訴えます。また、炎症が急激におこったときは、前房蓄膿といって前房の部分に膿がたまることがあります。紅彩炎が繰り返しおこると水晶体と癒着してしまい、そのために緑内障とよばれる状態になることもあります。これは眼の中の圧力が上がった状態であり、放置すると失明するおそれがあります。
眼の後ろの部分にも炎症がおこります。綱膜・脈絡膜炎という病態です。眼の後ろの部分はカメラに例えるとフィルムにあたりますので、この部分に炎症がおこると視力低下がおこります。
![]()
関節炎
リウマチと異なり、ひざなどの大きな関節に単発でみられます。ひどい場合には水がたまって熱をもって腫れるために、化膿性関節炎と間違われて抗生物質を投与されている場合もあります。
静脈炎
下肢の静脈などに炎症をおこすことがあります。炎症をおこした静脈には血栓ができて流れが悪くなり、むくんだり熱をもったりします。
その他
男性の場合、副睾丸炎をおこして、章丸に痛みを伴うしこりができることがあります。
![]()
腸管ベーチェット
小腸と大腸のつなぎ目に回腸とよばれる部分がありますが、そこに潰瘍をおこします。症状としては腹痛、下痢が主です。潰瘍は多発性で、放置すると穿孔をおこして腹膜炎になります。
大腸内視鏡で簡単に診断ができますので、疑いがあるときは早急に検査を受けることが必要です。
血管ベーチェット
血管ベーチェット病の場合には、動脈にも静脈にも炎症がおこることがあります。静脈が侵されたときには、上大静脈や下大静脈など血管の太い部分に血栓ができてつまることがあります。動脈の場合には、動脈瘤ができたり内腔の閉塞をおこしたりします。いずれの場合も重症です。
神経ベーチェット
中枢神経が侵されるタイプです。中枢神経系に再発性の炎症がおこるために、脳神経まひをおこしたり、痴呆などの精神症状をおこします。髄膜炎がおこることもあります。このタイプはとくに治療が効きにくく、重症化しやすい傾向があります。
![]()
