膠原病

膠原病の原因について

膠原病が起こるのは、細菌感染のようなひとつの原因ではなく、いくつかのリスクが重なったときです。たとえ家族に膠原病の人がいて、遺伝のリスクがあったとしても、それだけでは発症しません。

免疫異常、遺伝、環境などが要因に

自分はどうして、膠原病になってしまったのだろう。膠原病は、何が原因で起こるのだろう…。膠原病と診断された患者さんの多くが、一度はこういった疑問を持つことが多いです。
膠原病の原因についての明快な答えは、いまだに出ていない状態です。ただ、このところ急速に研究が進み、だいぶわかってきています。膠原病は、たとえば感染症のように、原因となる細菌をつきとめればいいという病気ではありません。いくつかの要因が考えられますが、なかでも以下の3つが重要になります。

「免疫」の異常

自己免疫反応膠原病は、自己免疫疾患です。自己免疫疾患は、自分の体の成分を異物とまちがえて攻撃する「自己抗体」ができて起こりますが、このような自己抗体がつくられる理由として、いくつかの考え方が候補にあがっています。以下に紹介していきます。

●抗体をつくる血液中のリンパ球の遺伝子が「突然変異」を起こし、自分の成分に反応してしまう。
●リンパ球では、不必要に自己抗体がつくられない仕組みが二重、三重に働くが、この仕組みに異常が起こる。
●人間のリンパ球は、胎児の後期ないしは新生児初期に、自分の成分と反応しないような教育を受ける。そして、自己の成分と反応しないリンパ球だけが体をめぐるが、ときに教育を受けていない、自分の成分と反応してしまうリンパ球が体内を循環する。
●紫外線、薬物、ウイルス感染、化学物質などによって、自己の成分が変化し、異物として認識されてしまって、自己免疫反応が起こる。
●体内をめぐり、異物をパトロールしている抗体の網が破綻し、免疫調節ができずに自己抗体をつくりつづける。

体質などの「遺伝」

遺伝子的な原因について膠原病は、血友病のような遺伝性の病気ではありませんが、遺伝とはまったく無関係ともいえません。膠原病になりやすい体質や素因を受け継ぐということはあります。
たとえば全身性エリテマトーデスの患者さんが家族にいる人は、いない人よりも、この病気にかかる頻度が0.3%ほど高くなるとされています。この罹患率は糖尿病高血圧よりも低く、つまり、遺伝があっても発病までに至る可能性は、糖尿病や高血圧よりも少ないといえます。それは、同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の場合をみるとわかります。一人が全身性エリテマトーデスになると、もう一人も同じ病気になる率は24%程度(関節リウマチもほぼ同じ)。まったく同じ遺伝子を持っていても、4人のうち3人は病気にはなりません。
膠原病は、遺伝とはまったく無縁ではないものの、遺伝以外の要因のほうがはるかに大きいことがわかります。なお、HLA抗原という白血球の血液型は、免疫反応にかかわる遺伝子ですが、現在では、ベーチェット病の場合を除き、膠原病にはかかわりがないと考えられるようになっています。

「環境的」な要因

以下のような環境因子が、膠原病発症の誘因となると考えられています。

●感染症、とくにある種のウイルスに感染すると、抗体をつくるリンパ球の活動を活発にさせると考えられます。
●薬物が、体の成分と結合し、体の組織と反応して変化すると、それに対する抗体がつくられることがあります。
●強い日ざし(紫外線)を浴びて発疹ができるタイプの人は、全身性エリテマトーデスのリスク因子になる可能性があります。
妊娠・出産、外傷、外科的手術など、自分の体を傷つけることは、膠原病のリスク因子になる場合があります。
●なお、アンケート調査などによると、2%はどの人が病気の前に精神的ストレスがあったと答えています。ただしストレスと膠原病との、はっきりとした関連性はいまだに不明です。

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