膠原病

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?

特徴的な皮膚の症状から名づけられた全身性エリテマトーデス(SLE)。日本では、5万人ほどの患者さんがいます。若い女性に多い病気ですが、男性や子ども、中高年の人にも起こります。

全身性エリテマトーデス(SLE)の特徴

蝶の形をした発疹全身性エリテマトーデスは、英語の病名(Systemic Lupus Erythematosus)の頭文字を取ってSLEともよばれています。全身の臓器に病気がおこりうるために「全身性」という言葉がついています。SLEは、蝶の形をした発疹が頬にできるのが特徴です。この発疹の様子がちょうど狼が噛んだ傷と似ているために、昔は全身性紅斑性狼瘡とよばれていました。ちなみに、Lupus(=ループス)とはラテン語で狼のことです。
これに対して、皮膚だけに円板状の紅斑がみられる場合は円板状ループス、俗にDLEとよばれています。また、薬剤が原因でSLE様の病態をおこすものを薬剤起因性ループスといいます。この二つは、SLEとは違う病態であるため、SLEとは区別をしています。

全身性エリテマトーデス(SLE)の経過

SLEは慢性の経過をたどる炎症性の病気で、症状はよくなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。しかし、治療がうまくいくと、症状がなくなる、いわゆる寛解という状態に入ります。完全に症状がなくなり、しかも検査所見も正常化した状態が完全寛解、症状はなくなったけれど、検査所見が完全には正常化していない状態を部分寛解といいます。ただし、いったん完全寛解になってもその後の治療が不十分だったり、あるいは患者さんが薬をのみ忘れたり、生活態度が乱れたりすると、症状の再発がおこることがあります。これを再燃といいます。
また、病気を火山に例えて、活動期と非活動期に分けることもできます。ときには普賢岳のように噴火を繰り返したり(=活動期)、富士山のように休火山の状態になる(=非活動期)こともあります。ただし、なかなか死火山の状態にはならないのがSLEの特徴で、この病気のむずかしいところです。

全身性エリテマトーデス(SLE)の頻度

若い女性の発病が多いSLEは膠原病の代表的な病気で、日本では、特定疾患認定者として登録されている患者数が5万人余り。医療機関を受診していない人などを含めると、この2倍くらいの患者さんがいると推定されています。膠原病のなかでは(小児のみにみられる川崎病を除くと)、関節リウマチ(70万~100万人)に次いで患者さんの数が多い病気です。
発症率の男女比は1対9と圧倒的に女性が多く、それも20代から30代が発症のピークになっています。ところが、女性が閉経する50代以降の男女比をみると、1対3にまて差が縮まります。世界を見ると、SLEの発症に地域差はなく、特別な環境が発症に関係するとは考えられません。

全身性エリテマトーデス(SLE)の疫学

●発病率

・日本‥10万人あたり3.0人が発症(年間)
・アメリカ‥10万人あたり1.8~7.6人が発症(年間)

●有病率(現在の患者数)

・日本一10万人あたり40人
・アメリカ一10万人あたり14.6~122人(有病率・死亡率ともにアフリカ系、ピスパニック系、アジア系のほうが高く、ヨーロッパ系白人は低い)

●経過・生命予後

1950年代、SLEは5年生存率が50%と、命を奪われる可能性の高い、予後のよくない病気でした。しかし、ステロイド薬が開発され治療に使われるようになって、1990年代半ばには、5年生存率が90%以上となっています。

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