膠原病

ベーチェット病

ベーチェット病は男女に差がなく起こる病気です。口内の潰瘍、皮膚症状、外陰部の潰瘍、目の病変の4つか主要な症状です。腸管や血管にも病変が起こり、中枢神経がおかされることもある全身性の病気です。
ベーチェット病の特徴

ベーチェット病の分類

ベーチェット病・口内の潰瘍ベーチェット病は、「口内の潰瘍」「皮膚症状」「外陰部の潰瘍」「目の病変」の4つをおもな症状とする病気で、この4症状がすべてあらわれる「完全型」と、いくつかの症状しか出ない「不完全型」とに分類されます。完全型の場合でも、4つの症状が発病当初からすべてそろうことはまれで、多くは、病気が経過するなかで散発的にあらわれます。
さらに特殊型として、腸管に潰瘍ができる「腸管ベーチェット病」、動脈や静脈に炎症が起こる「血管ベーチェット病」、脳(中枢神経)の病変が中心の「神経ベーチェット病」と呼ばれるタイプのものがあります。特殊型の病変は、ベーチェット病が発病して数年過ぎたころからあらわれてきます。主要な4症状を伴わずに、腸や血管や中枢神経など特殊型の病変だけが起こることはありません。

シルクロード病ともよばれる

シルクロードベーチェット病は1937年にトルコの皮膚科医のベーチェットが初めて報告しました。患者さんがトルコから中国、そして日本などの地域に多いことから、シルクロード病ともよばれています。
ただし幸いなことに、最近では重症のベーチェット病の患者さんは減る傾向がみられます。20年前は若い人の失明率の第一位はこのベーチェット病が原因でした。今では失明までに至るほうが、きわめて少なくなっています。

ベーチェット病の有病率・男女比・年齢

日本の患者数は1万7200人余り(特定疾患申請数一2000年)。発病は30代にピークがあり、男女比は1対0.98。男性と女性に差はないのですが、眼病変に限ってみると男性に多く起こります。

遺伝子因子とのかかわり

ヒト白血球抗原

ベーチェット病がなぜ起こるのか。その原因については、いまだに不明な点が多いですが、リスク因子としてひとつ考えられるのは、遺伝子因子とのかかわりです。白血球の細胞の表面にはヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれるタンパク質があります。HLAにはさまざまなタイプがありますが、どのタイプになるかは、遺伝によって決まります。
このHLAのなかで、HLA-B51タイプを、ベーチェット病の人の過半数がもっています。一般的には、日本人でHLA-B51が陽性になる人は13%ですが、主要4症状がそろう完全型のベーチェット病の人では、58.2%という高率で陽性になります。世界のどの地域で調べても、ベーチェット病の患者さんには、HLA-B51タイプの人が多いことがわかっています。ただ、患者さんのなかにはこのタイプのHLAをもたない人もいるため、遺伝的な素因だけで、ベーチェット病のメカニズムを説明することはできません。

HLAは細胞一般の血液型

血液型というとABO式がよく知られていますが、これは赤血球のタイプを示すものです。HLAは白血球で見つかった血液型です。
HLAは、ABO血液型よりはるかに種類が多く、臓器移植のときなどは、移植する相手と適合するかどうかを判断する重要なマーカーとなります。またHLAは、特定の病気と密接なかかわりがあります。たとえば関節リウマチの場合は患者さんの多くがHLA-DR4陽性なのと、ベーチェット病ではHLA-B51陽性の人が多くみられます。そのためベーチェット病では、HLA-B51が陽性かどうかは、病気を診断するときの参考になります。

ベーチェット病の基礎には、自己免疫反応が

ベーチェット病の基礎には、自己免疫反応があることが考えられます。病変がある部分にはリンパ球が入り込み、炎症を起こしているためです。
また、好中球(白血球のひとつで、体内の老廃物や侵入してきた細菌などをとり込み、消化する)が異常な働きをして、粘膜を傷つけたり、うみをつくったりすることがわかっています。
さらに、病巣部には血栓(血のかたまり) ができやすいことから、血小板(相互に結合して血栓をつくる)の機能が高まることも、病気を進める因子になると考えられます。

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